第2回AbemaTVトーナメント決勝が2019年7月21日、20:00から放送されました。
このトーナメントは、第1回AbemaTVトーナメントinspired by羽生善治に次ぐ、第2回目として開催されました。
前回の優勝者は、藤井聡太七段でしたので、連覇なるか注目されていました。
それでは、早速ですが、第2回AbemaTVトーナメント決勝の対局結果がどうなったのか見ていきましょう。
第2回AbemaTVトーナメントのルール
AbemaTVでのフィッシャールール
- 持ち時間5分切れ負け
- 1手ごとに5秒追加
- 三番勝負で二勝した棋士の勝利
第2回AbemaTVトーナメント決勝!糸谷哲郎八段 対 藤井聡太七段の結果
第2回AbemaTVトーナメント決勝!糸谷哲郎八段 対 藤井聡太七段の結果は、2勝1敗で藤井聡太七段が勝利しました。
解説は羽生善治九段で、聞き手は中村桃子女流初段でした。
まず1局目は振り駒の結果、藤井七段の先手となり、一手損角換わりの将棋となりました。
序盤は、定石通りに進み、すごい速さで進みました。
糸谷八段が右玉、藤井七段が中住まいにして、そこからまた左の方に玉を寄せるという変幻自在な手を指しました。
そこで糸谷八段が悩み、時間的に少し不利になってしまいました。
ただ、その後はさすがの早指しで、時間的には同じくらいになりました。
終盤の入り口で、藤井七段が竜を切って、寄せに入ります。
そこからは攻めを繋いで、藤井七段の勝利となりました。
対局後のインタビューでは、自陣角を動かして攻め勝ったため、『自陣角回転戦法』と名前を付けました。
2局目は、糸谷八段の先手で、初手7八金と指し、乱戦模様となりました。
独創性が求められる将棋で、糸谷八段が本領発揮で、序盤で時間的に有利となりました。
ただ、その後、藤井七段の攻めが鋭く、糸谷八段を追い詰めます。
その後、攻守が入れ替わり、糸谷八段の力強い攻めが続き、そのまま勝利となりました。
これで1勝1敗となり、決着は3局目に持ち越されました。
3局目は新たに振り駒が行われ、糸谷八段の先手となり、再び初手7八金と指し、矢倉(藤井陣)対銀冠(糸谷陣)の戦いとなりました。
中盤で藤井七段が優勢となりましたが、糸谷八段が不利を自覚してか、開き直って怒涛の攻めを見せました。
しかしながら、ギリギリの受けで、糸谷八段の攻めをかはし、藤井七段の勝ちとなりました。
これで2勝1敗となり、藤井七段の優勝となりました。
本戦トーナメント1回戦 藤井聡太七段 対 増田康宏六段の対局結果
本戦トーナメント1回戦 藤井聡太七段 対 増田康宏六段の結果は、2勝0敗で藤井聡太七段が勝ちました。
解説は久保利明九段で、聞き手は貞升南女流初段でした。
まず1局目は振り駒の結果、増田康宏六段の先手となり、相掛かりの将棋となりました。
相掛かりといえば、山崎隆之八段や野月浩貴七段が得意としている戦型ですが、居飛車同士の戦いでは、角換わりや矢倉と共によく指される戦型です。
藤井七段も後手番の時に、この相掛かりを採用する印象があります。
序盤は先手の増田六段がのびのびと駒を前に躍動させていました。
しかしながら、中盤で増田六段が時間を使ってしまい、時間差が付いてしまいました。
ただ、難しい局面が続き、藤井七段も時間をかなり使ってしまいました。
それでも中盤から終盤にかけて、増田六段の持ち時間がほとんどなくなってしまい、持ち時間が5秒の状態で時計が鳴り響く状態になってしまいました。
一方、藤井七段は持ち時間に余裕を残し、増田六段を追い詰めていきました。
藤井七段の王は、中断まで追われるも入玉含みの広さがありましたが、増田六段の玉は下段のままで、結果、藤井七段の王を捉えきることができませんでした。
対局後、藤井七段は増田六段の将棋について聞かれ、「かなり何度も鋭い手を多く指されて、どんどん攻め込まれる展開になってしまった」と、増田六段の強さを賞賛していました。
増田六段は、「かなりチャンスがあった将棋だったんで負けて悔しいです。」と、この対局に対して、手応えを感じているようでした。
二局目は、藤井七段の先手、増田六段の後手です。
戦型は藤井七段得意の角換わりでした。
序盤は角換わりの定石通りにすごい速さで進みました。
しかしながら、増田六段が放った4六歩打で藤井七段の手がピタリと止まりました。
その後、増田六段の手も止まり、長考に沈みます。
終盤になるに連れて、再び増田六段の時間が減っていき、玉が追い詰められていきます。
中断まで玉を引っ張り出されて、そこからは一方的に攻められて増田六段の投了となりました。
本戦トーナメント準決勝 木村一基九段 対 藤井聡太七段の対局結果
本戦トーナメント準決勝 木村一基九段 対 藤井聡太七段の対局結果は、2勝1敗で藤井聡太七段が勝ちました。
解説は羽生善治九段で、聞き手は中村桃子女流初段でした。
まず1局目は振り駒の結果、藤井聡太七段の先手となり、角換わりの将棋となりました。
定石通りの駒組みの後、木村九段が3一王としたことで、藤井七段の攻めが始まりました。
千駄ヶ谷の受け師という異名がある木村九段と、鋭い攻めに定評のある藤井七段の攻防戦が続きました。
そして、そこから細い攻めを繋いで藤井七段の一勝となりました。
二局目は、木村九段の先手、藤井七段の後手で、戦型は相掛かりとなりました。
序盤は、木村九段が勢いよく指して、かなり時間的有利になりました。
ただ中盤のねじり合いで時間は互角に戻り、終盤に近づくにつれて一進一退の攻防が続きました。
最後は、藤井七段の攻めをかはして、木村九段の勝ちとなりました。
三局目は、一局目と同様に角換わりとなり、端歩をつく、つかないの違いだけで途中まで同じような進行となりました。
ただ、その端歩の突き捨てを入れなかったために、違う変化となり、結果、藤井七段の勝利となりました。